よもやま

大崎初音×萩原玲二『麻雀人口増加計画☆(MPGP)』インディーズプロジェクト応援記事

FUNDIYにて進行中の大崎初音×萩原玲二『麻雀人口増加計画☆(MPGP)』インディーズプロジェクトに、終了まで一週間を残して3,122,000円(達成率390%)もの支援金が集まっている。

大崎初音×萩原玲二『麻雀人口増加計画☆(MPGP)』インディーズプロジェクト

筆者はこのプロジェクトには密かに注目しており、現状をとても喜ばしく思っている。

なぜならば本件は「麻雀マンガ」というニッチな作品が、既存の出版ルート以外で始めて商品化されようとしているケースであり、本件の成否如何によっては、後続作品がコンスタントにリリースされることになるような事態も起こりうると考えているからである。

「近代麻雀」では、連載作品が単行本化に至らないケースが数多あり、それらの作品のファンを(言い方は悪いが)切り捨ててきた歴史がある。

これは版元が悪いのではなく、市場規模の問題である。ただでさえニッチなジャンルであるのに、そこで読者の支持を得られなかった作品が単行本化されない事情は推して知るべしである。

作家によっては自分で単行本化してイベントで売るなどして、同人作品として販売する人もいるが資金調達や在庫リスクなど、万人向けとはいえない。

そこでFUNDIYを利用したクラウドファンディングの登場となるのだが、資金調達のリスクを回避できる点と、大まかな顧客数が把握できるため、比較的在庫リスクは低くなるという2つの利点がある。むろんプロジェクトが成立しなければ御破算なので、そこはデメリットではあるが。

さて本件は、マンガ家である萩原玲二氏の立案により、大崎氏が告知・営業などを担当するという役割分担によって進行しているようである。

ここからが本題なのだが、筆者は本件に対するSNS上の誹謗中傷に対して反駁しておきたい。筆者は本件とは関わりのない一部外者にすぎないが、見るに耐えない言いがかりに対して一言物申したくなったわけである。

元来、人様の悪口を言挙げするのは趣味ではないので個人名は挙げることは控えるが、中傷の主は萩原氏と同業のマンガ家氏である。

なんだか書くのも悲しくなるが、支援金が高額になった時点で「ギャラをもらうべきではない」「協力者は謝礼をもらうな」「そもそも借金して本を作ればよい話」など、私には首を傾げざるを得ない持論を展開して、プロジェクトオーナーである萩原氏ではなく大崎氏やその協力者の人々を現在進行形で攻撃している。

私はこのマンガ家氏の作品も楽しく拝読しているが、こういうひがみ根性を目の当たりにしてしまうと、なんだか作品に対する気持ちも萎えてきてしまいそうで、率直に言うとやめていただきたいと思う。自分の評価を下げるだけでなく、無知をさらすことはご本人にとってもマイナスだからだ。

しかしながら日本は言論の自由が保証されているので、当人の責任の範疇での主張を部外者がやめさせることはできない。

ならば同様に、筆者にも意見を言う権利はあるはずだ。以下に筆者の意見を述べさせてもらう。

まず、このマンガ家氏がどれだけ的外れな主張をしているかを指摘しておこうと思う。

インターネット上の氏の言説を見るに「本を出したいのなら身銭を切れ」という主張のようだが、これは明確に誤りである。

立案者の萩原氏はマンガ家である。マンガ家は本を売って生計を立てているのであり、それを否定したらそれこそ自分の稼業をも否定することになるからだ。

版元の担当者に「あなたは好きでマンガを描いているのだから原稿料はゼロです」と言われたら、このマンガ家氏はどうするのか。こんなメチャクチャな理屈は通らないと、小学生でもわかる話だろう。しかし、まさに自分がそれを他の作家に対して言っているのである。

 

原則として、他人にタダ働きを強要する言説はすべてデタラメである。

プロジェクトの概要を読めば、追加の記事ページや描き下ろしのマンガページなど多数あり、取材・執筆・編集・デザインなど多数の人手がかかることは容易に想像できる(外注でなくとも、必ず作業をする人の人件費は発生する)。ましてやマンガの制作にかかる人件費などは、自分が一番ご存知のはずであろう。それを無償でやれ、と言える思考回路は私には理解できない。

「借金して本を出せばよい」に至ってはクラウドファンディングを理解しない(しようとしない)論であり、継ぐ言葉がみつからない。

前述したように資金調達のリスクを回避できるのが、このシステムの魅力のひとつである。

IT技術の進歩によって、昔は負わなければいけなかったリスクを現在は回避することができるようになったのだ。

「昔は橋などなかった。オレは溺れ死ぬリスクを負いながらも歩いて川を渡ったのだから、今は橋があっても関係ない。オマエも溺れるリスクを負って歩いて川を渡れ」と言っているに等しい。マンガ家氏がどれだけおかしなことを言っているか、お分かりいただけると思う。

さらに、マンガ家氏は支援金を払った上で「オレは支援者なのだから、オレの言うことを聞け」という行動に出た。これには失礼ながら、偏執的なものを感じざるをえない。

これはあくまで私の推測だが、このマンガ家氏がこれらいいがかりに等しい攻撃を仕掛けてくるのは、嫉妬によるものなのではないだろうか。プロジェクト開始前後のあたりは、むしろ好意的だったことは氏本人も認めている。それが思いもよらぬ額の支援金が集まったため、ヤキモチを焼かずにいられない状態になってしまったのではないかと思う。

「オレは安い原稿料で描いているのに、女流麻雀プロが人気に当て込んで金を集めるとはけしからん」という心理なのだろう(念のためだが、私はもちろんマンガ家氏の原稿料が安いか否かは知らない)。

ここでひとつ、忘れがちな事実を挙げておこう。

萩原氏はこのプロジェクトを実行するにあたって、まず版元から原稿を引き上げねばならなかったはずだ。今は原稿は電子データであろうから物理的に引き上げるのではないが。具体的には、版元の担当者に「クラウドファンディングで出版したいので出版権を引き上げたい」と申し出ねばならなかったはずだ。

しかしこれは、マンガ家にとってはかなり大きなリスクだったはずだ。言葉を変えれば「おたくの出版社からは本は出さないから」という宣言なのである。まかりまちがえば、2度と仕事が来なくなるかもしれないのだ。しかも、この時点ではクラウドファンディングが成立するかどうかなど、全くの五里霧中であるにもかかわらず、である。

結果的に多額の支援金が集まったが、プロジェクト開始前に萩原氏が大きなリスクを負ったことは忘れてはならない。

私はこのプロジェクトが成功することを願っている。多くの余剰金を出して、萩原氏と大崎氏には印税として堂々と儲けていただきたいと思っている(ご本人たちの意向とは違うかもしれないが)。

クリエイターが提供した良質のコンテンツを、ほしい人が購入して満足しました。結果、クリエイターは儲かりました。全員がハッピーになりました、となれば文句のつけようがないではないか。

昔は世に出すことができなかった作品が、世に出せるようになったのだ。それはいい。

しかし、作品は売れましたが儲かりませんでした、では後に続こうという人にとってクラウドファンディングは全く魅力のないシステムになってしまう。

冒頭に述べたように、私は麻雀マンガのようなニッチなジャンルにとっては、クラウドファンディングはうってつけのシステムであると考えている。なので先頭を走ることになった本プロジェクトには、ぜひ成功してもらいたいのだ。

ノイジー・マイノリティーの言説に惑わされずに、最後まで完走してくれることを願う次第である。

2016-09-05 | Posted in よもやま1 Comment » 

コメント1件

 ケラキ | 2016.09.06 8:48

この企画の主旨は漫画の製本化にあったと思います。
セット権は当初からありましたが、目標額に到達させるための保険的なコースという認識でした(これは勝手な思い込み)。
単行本化されないことがよくあるキンマの作品の製本化という主旨に賛同し、他の作品も後に続いてほしいと願ったからこそ私は実本を手にできる最低コースの6000円に投資しました。高いなとは思いましたが、20ページくらいの本が500円からする同人誌の価額相場を知ってるのでページ数もある今回はしょうがないのかな、とも。
しかし、蓋を開けてみれば目標金額をあっさり達成どころか使い道に困っちゃうくらいらしいじゃないですか。ならコース毎の設定をさげてほしい。納得してポチりはしましたが好き好んで6000円という漫画1冊にしては法外な値段を出したというわけではない。
施設に自動卓を送るという活動も否定はしません。しかし今回はそういうことのために金を出したのではない、とだけ言いたい。

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