レビュー, 近代麻雀

「近代麻雀SP闇で蠢くタブー雀士たち」を読んでみた(※ネタバレあり)


前回の「闇で稼ぐタブー雀士たち」が好評だったのでしょうか、同コンセプトの増刊誌第2弾ということになります。表紙ではタイトルロゴよりも「タブー」を強調していることからも、そうとうアングラな内容であることは想像できるでしょう。

それではページをめくってみましょう。
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!?

ここまでタブーに切り込んでいるとは想像できませんでした。

1ページ目からこの写真はどうなんですか。どう見てもその筋の人を巻頭カラーに持ってくるとは、さすが「実話ドキュメント」を発行していた竹書房だけあります(ホメてません)。

高レートで生きる男はどんな麻雀を打っているのか? というのが記事の眼目ですが、そんなことよりもこの寺本氏なる人物の経歴が濃すぎて、どうしてもそちらに興味が向かってしまいます。

「22歳で広域暴力団の盃をもらい」「殺人教唆の罪で刑務所に入る」という「本格派」の人物です。「現在は足を洗って風俗店6店舗を経営している」という、かろうじて今は堅気の人のようです。

麻雀は今風のデジタルとは真逆の門前重視・高打点派のようですね。

…いやそれはいいんですけどこの人、この記事が原因で捕まったりはしないのでしょうか? 率直な疑問です。記事自体は報道の範疇でしょうから出版社は大丈夫そうですけど、人事ながら心配になってしまいます。賭博罪は現行犯でなければ捕まらないといわれてますが、取材者も高レートの麻雀仲間であることをうかがわせる内容の記事を書いていますので、こちらはもろアウトじゃないんでしょうか…。法治国家とは?

さて、ここからはマンガです。フィクションです。なので、お金を5兆円賭けようが、血を抜こうがすべてOKです。安心ですね。

「孤高の暴君・柏木」 森遊作/闘牌監修:佐藤聖誠

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「近代麻雀」で連載していた「鉄火場のシン」外伝で、花田の敵役だった柏木が主人公の物語。
高レート麻雀で稼ぐ柏木は、かつて自分が破滅させた男・横山からのリベンジに合います。1度でもトップを取れば1千万、という柏木の提案に横山は卓に着きますが…。という具合の、ピカレスクもののお手本のような作品。
柏木の圧倒的な強さが、佐藤プロの闘牌シーンによって説得力をもって表現されています。
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こういう理詰めのヨミが、この作品のリアリティの柱となっております。大変面白いです。

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「Lost」 江戸川エドガワ/原作:押川雲太朗

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レート高めの雀荘メンバーの視点から語られる、堕ちてゆく人間の有様。ハードボイルド調の語り口と乾いた画風がよくマッチしています。
オープニングとラストで繰り返される
「雀荘とは龍宮城のような場所だ」
というナレーションは、麻雀打ちにとっては非常に身にしみる言葉なのではないでしょうか。
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気合の見せゴマもいい感じです。
大変面白いです。

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記事ページ
「ブー麻雀」入門
「ブー麻雀」は1ゲームの決着が早く回転がよいため、雀荘経営者に好まれた特殊ルールの麻雀。おかげで店が儲かりすぎて、現在では禁止になってしまったそうです。

「東大を出たけれど」 井田ヒロト/原作:須田良規

須田良規プロのエッセイをマンガ化したもので、かつて「近代麻雀」本誌で連載されていたものです。久しぶりに読むと、青春時代を淡々と綴る独特の語り口が気持ちよいですね。牌で会話を交わすなんていうのは、皆一度は経験するものなのではないでしょうか。麻雀シーンと物語のマッチングがすばらしいです。とても面白いです。

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「ウラセン」 城埜ヨシロウ

「近代麻雀オリジナル」からの再録。こころなしか印刷がにじんで見えます。こちらも違法なゲーム店で実戦取材という、手が後ろに回りそうな内容ですがすでに時効成立なのでしょうか。

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「かっぱがれ」 いでえいじ

賭博麻雀実戦録とでもいいましょうか、もはや報道でもなんでもない、竹書房関係者の身内による犯罪記録マンガです。逮捕者がでないことを祈っておきます。内容は「近代麻雀」の再録。

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「3年B組 一八先生」 錦ソクラ
こちらをごらんください。

記事ページ
「高レート麻雀ガイド」
「われめ」や「アリス」「青天井」などのインフレルールの紹介です。

「ぶん!」 押川雲太朗

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初出は私には不明ですが、再録のようです。「根こそぎフランケン」を思わせる破天荒な主人公・五郎のお話。
昭和っぽいタッチのキャラクターがいますので、それなりに昔の作品と思われます。
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とても面白いです。

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「麻雀で月(に)10万勝てるのか」 キッキー木山/福地誠

なぜタイトルの「に」が(に)なのかというと、トビラページと目次ページの表記が異なるからです。こういういいかげんなところは、改めてもらいたいと思います。内容は「近代麻雀」からの再録。カンチャン即リーチはいいですけど、ノンフィクションの賭博告白マンガはどうかと思います。

「チャンプ」 菊地昭夫/原作:森橋ビンゴ/強力:桜井章一
ずいぶん前の「近代麻雀」からの再録。

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「かほりさん」 神原則夫

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描き下ろし。竹橋駅近くにある雀荘「TKB39」にはアイドルたちが所属している。彼女たちと同卓するためには、ファンは同卓券付きCDを購入せねばなりません。というどこかで聞いたようなシステムのお店に、なぜかかほりさんがアイドルの代走に…。というお話でオチがとてもよいですね。
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大変面白いです。

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「お嬢さんをくださいッ」 塚脇永久

これもずいぶん前の「近代麻雀」からの再録。おもしろいです。

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記事ページ
「末井昭のギャンブル人生」 山崎一夫/西原理恵子
破天荒な編集者の人の回顧録。銀玉親方の記事にはしょっちゅう登場していた方なので、末井さんについては既知でしたが改めて読むと、ちょっと破天荒ぶりについていけません…。

付録「麻雀マル秘テクニック」
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既刊「麻雀テクニック」からの抜粋だそうです。

やや再録が多めではありますが、だいぶ昔の作品がほとんどですし私はほぼ忘れてましたので損した感じはありませんでした。おぼえていたのは「かっぱがれ」ぐらいでしょうか。付録も「麻雀テクニック」が未見でしたので、それなりに楽しめそうです(未読)。「柏木」「Lost」あたりは麻雀好きはぜひ読んでおくべきだと思います。もちろん「一八先生」もです。巻頭カラーにひるまず、ぜひ購入をオススメします!

2015-08-20 | Posted in レビュー, 近代麻雀No Comments » 
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