レビュー, 近代麻雀

驚愕の読み切り作品!!「麻雀救世伝 ガモン」!!

近代麻雀 2015年 9/1号 [雑誌]

価格:570円
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さてこれから「近代麻雀」9月1日号のレビューを書くのですが、ひとことお詫びしておきます。

前回は「一八先生」が載っていないショックで、かなりテンションの低いレビューを書いてしまい、やや自己嫌悪に陥っていたところです。

今号も載っていないのは予告ページで確認済みですので、ややテンション低めで読み始めました。

ところが今回掲載された読み切り作品「麻雀救世伝 ガモン」に度肝を抜かれるほどの衝撃を受けました!

なので「アカギ」や「カナ」はとりあえずおいておいて、この「ガモン」の凄さについて項を割くことにします。

始めに断っておきますが、

この作品は読んだ方がよいです。読んで損はありません。

「読み切り作品とはかくあるべき」というお手本のような作品です。

※以後ネタバレを含みます。物語の核心には触れませんが、あらかじめご注意ください。

まず、前号の次号予告をあらためて確認すると

「頼れるものは、己の麻雀力のみ!! マッドでマックスな驚愕読み切り」

とあります。このキャッチコピーと、いかつい男性のイラストから流行の洋画のパロディー作品のような先入観を持っていましたが、全然違いました。「世紀末風」という表面上の設定は似ているのかもしれませんが、内容はオリジナルです。
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さて冒頭「20XX年 大災害を契機に日本経済は破綻し 雀力が世を支配する暗黒の時代が訪れた」というナレーションから、未来の日本を舞台とした物語であることが告げられます。

ガソリンを求めて雀荘に入る主人公、どうやら彼は『麻雀神理会』なる組織から追われる身であるようです。

主人公が店内でガソリンを求めて対局を開始しようとした刹那、若いカッコイイ男が現れます。彼こそが、チンピラからの通報を受けて駆けつけた『麻雀神理会』の総帥・座坊院洋光なのです。

現場に到着するのが早すぎる、などと野暮なことは言ってはいけません。マンガはテンポが命なのです。

座坊院によると、主人公の名は牙門(ガモン)。かつては『麻雀神理会』に所属していた凄腕の麻雀打ちだったが、会の後継者となることを拒み行方をくらませていたそうです。

座坊院が会の後継者と認められるためには、ガモンを倒さねばならないとの理屈で勝負が開始されます。

ここで気になるセリフがガモンから発せられます。

「俺と打つことの覚悟はできているんだろうな」

意味深であります。わざわざ傍点がふられているのですから、このセリフは大事な伏線と覚えておきましょう。

同じく座坊院からもチンピラに「この場で起きることは他言無用」という、さりげない伏線が張られています。こういう謎めかした「フリ」は良いですね。

麻雀シーンは「役満縛り」だそうです。

ここで初めて「おや?」となりました。「役満縛り」ということは、「鉄鳴きの麒麟児」や「むこうぶち」のような緻密な闘牌シーンを楽しむ作品ではないということかな? と思った矢先、ハイ「大車輪」です。gamon_01

どっちかというと「ムダヅモ無き改革」寄りのトンデモ路線でした。
その後は「紅孔雀」や「東北新幹線」、「南北戦争」などのローカル役満のオンパレード。
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チンピラが「なんでもありのすげぇルールだ」と独白していますが、これは笑うところでしょう。

オーラス、追い上げるガモンがリーチ。座坊院はオリていれば勝利というシーンですが、あと2巡を残して安全牌が切れてしまいます。gamon_03

ここで座坊院は、役満に放銃する可能性のない4枚使いの[中]を切ります。しかし、これは麻雀マンガのお約束「あたるはずのない牌があたる」の法則にのっとり、放銃となってしまいます。果たしてガモンがアガった役は…?gamon_04

ここで突如ナレーションが入ります。
「西暦2015年 極東アジア一帯に発生した 小隕石群落下災害によって 日本は甚大な被害を受けた」と。
これは冒頭のナレーション「大災害を契機に」の「大災害」を指しているのでしょう。そして災害が発生したのは2015年! 今年ではないですか!
そして、ガモンのアガリは…!
「2015年小隕石群が命中」のゴロあわせでgamon_07

役名「メテオ・クラッシュ」

ついに、読者も知らないオリジナル役満が出ました。こんなの読めるワケがありません。とはいえ、作中人物の座坊院は当然知っていてしかるべきはずなのですが、まったく想定外の様子であったことから未来でもなかなか見られない役満のようです。

このような「伏線は張ってあるけども読者には絶対わからない」類の謎掛けは本来はズルイといわれても仕方ないのかもしれません。しかしこの作品においては悪い感じはしません。むしろマンガ本来の、ページをめくる楽しさを味あわせてくれます。たまにこういう凄い読み切りをサラリと載せてくるのでので「近代麻雀」は気が抜けません。

と、ここまで書いてしまって「ネタバレじゃないか!?」と憤る方がいらっしゃるかもしれませんが、さにあらず。真の大ネタはこの後に控えているのです。

「俺と打つことの覚悟はできているのか」
「この場で起きることは他言無用」
などの伏線は未だ回収されていませんよ?

ガモンに敗れた座坊院はどうなってしまうのでしょうか。
驚愕のラスト5ページは伝説といってよいでしょう。

これ以上書いてしまうと本当のネタバレになってしまうので、もう止めておきます。ここまでこの拙文にお付き合い頂いた方々にはあらためて申し上げます。

この作品は読んだほうがいいです、と。

2015-08-03 | Posted in レビュー, 近代麻雀No Comments » 
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