近代麻雀

「3年B組一八(インパチ)先生」についての考察

漫画家・錦ソクラ氏作の「近代麻雀」に不定期掲載されるギャグ漫画。毎回、ほかの漫画家の作風を模したキャラクターが登場し、主人公一八先生が麻雀を打ち、最後に親のハネマンをアガる作品。

紹介文だけで、十分この作品の混沌とした雰囲気が伝わるだろう。

いうまでもなく「一八先生」はドラマ「金八先生」のパロディである。

初回掲載時には、クラスの問題児・加藤に麻雀を通じて人の教えを説くなど、忠実にドラマの金八先生をパロディー化しています。武田鉄矢の似顔絵もそっくりです。

このスタイルは2話目も踏襲されおり、生きることに意味を見出せないでいる学君に、麻雀で人生の無常さを教えます。

他の漫画家の作風を模したキャラクターが出てくるのは3話目以降。一八先生のキャラクターが浸透したところで、変化球を投げてきました。

水木しげる風の同僚の先生や、所十三風の他校の不良生徒はこの回に登場しています。

4話目には「寿しの深山」の大将、明彦君の父親に星一徹に酷似したキャラクターが登場し、息子の明彦くんともども200万の借金を背負うことになります。

5話目には室塚先生という、どうみても「天空の城ラピュタ」のムスカにしか見えない人物が登場します。

7話目にはGTO(グレートツモスジ鬼月)こと鬼月先生が、反町隆史のpoisonとともに登場します。この回の再現度は、かなりすごいです。一八先生のお株を奪う、鬼月の説教シーンは「少年マガジン」そのものです。顔芸ばかりが注目を浴びてますが、普通に漫画として成立してます。そもそも意外なことに、ラストの顔芸はここまでまだ出ていません。

そしてその待望の顔芸は8話目に初登場です。オチの部分なのでネタバレになってしまいますが、板垣恵介風の一八先生を拝めます。

第10話では「メメタァ」の擬音とともにツモアガります。

第11話は6ページと短いためか、インパクト勝負にでてます。敵役の荒場2中の不良たちが完全に「北斗の拳」のいわゆるザコキャラです。そして恒例となった顔芸は藤子不二雄(A)の「笑ウせぇるすまん」です。この世界観の混在を描ききったことで、なにか吹っ切ったようにも思えます。

第13話では「進撃の巨人」と化してます。この回は最後の柱の文章もみごとにマッチしてます。

第14話は、まんま海原雄山風の理事長の再現度が高いです。この作家さんは、ペンタッチから発する擬音まで、完コピに近い精度で描けるところにも注目です。リスペクトというか、元ネタへの愛情のようなものが感じられるのは錯覚でしょうか。顔芸は富樫義博風です。

第15話は漫☆画太郎風のババア完全再現です。

第17話は「ドカベン」の岩鬼が驚愕の再現率で登場です。

第19話には「闇金ウシジマくん」と「ゴルゴ13」の豪華なコラボキャストです。なんだかノリノリな雰囲気が伝わってきます。

第20話は大友克洋風の鉄男、意外にも盲点だった嶺岸信明風バイニン、再び所十三風マスターが登場です。

そして最新21話では「デスノート」風の金末君が登場です。

読み返してみて意外だったのが、思っていたよりも序盤のパロディーネタが少ないということ。しかし、パロディー絵がない場合も、実は本家「3年B組金八先生」のエピソードをなぞった話が多く、原作リスペクトの精神は貫かれているのです。どこまでもパロディーに徹する真摯な姿勢には頭が下がります。

麻雀漫画のパロディーといえば「スパーヅガン」や「ぎゅわんぶらぁ自己中心派」の片山まさゆき作品が思い浮かびます。その後、喜国雅彦の「麻雀まんが王」「麻雀まんが大王」へと繋がるのですが、本作はその流れを受け継ぐ正当な“麻雀パロディー漫画”といってよいのではないでしょうか。

コミックスになるには、すでに十分な原稿量でしょうから、早期に単行本化されることをお祈りいたします。



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2015-06-09 | Posted in 近代麻雀No Comments » 
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